紀の川をパックラフトで川下り。パックラフトデビュー戦の川。

紀の川とパックラフト川下り体験記

パックラフトを個人輸入したのが2018年の5月。
デビュー戦はどの川でやろうか、悩んだ挙句に選んだのは和歌山県北部を東西に流れる「紀の川」だった。

正直、デビュー戦はもっと清流(古座川とか)へ行きたかったんだけど、実は僕の地元は紀の川に一番近いので、「なんやかんや言っても、ホームリバーでデビューするのが礼儀やろ?」という悪友の説得力のない一言に動かされ、紀の川でのデビュー戦が決まったのだった。

今回は、パックラフトデビュー戦の紀の川を下った記録を思い出して書いていこう。

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幸村の里の近くからスタート。祭りの始まりじゃあー!

デビュー戦の行程は、真田幸村が謹慎していた真田庵の近くからスタートし、紀の川市の麻生津橋近くをゴールに設定した。

実は紀の川は上流の奈良県に行くと「吉野川」という名前になって、カヌーをする人たちに「ナラヨシ」の愛称で親しまれている人気のカヌーゲレンデ。

でも、色々調べると結構キツめの瀬があったので、「ここは俺のような素人が行く場所じゃない」とビビってしまい、紀の川にした。

紀の川はきつい瀬などはほぼ皆無、川幅も広くゆったりしているので、まさに素人初心者向けの川だ。その代わり、清流ではないのが悲しいところなんだけど・・・

ということで、産直市場の下の河原からスタート。ここは紀の川の支流・丹生川(にゅうがわ)になる。

ちなみにここまでは友人の車で連れてきてもらった。

紀の川カヌースタート地点

丹生川を100mほど行けば紀の川に合流。この日はこどもの日だったので、鯉のぼりも僕のデビューを祝福してくれた。

初めてのパックラフト。

もうドキドキで川に浮かべ、友人が見守る中、いざカッコよくスタートだ。
と同時に川底の岩に挟まり右往左往。ケツをフリフリ脱出しようとするんだけど、そこはど素人

「じゃあ行ってくるわ(キリッ)」

と言ってすぐに

「あれ、あれ、進まへん!」「どうしよう」「くそっ」

と悪戦苦闘。

友人は、「パックラフトとは川底に挟まりながらケツをフリフリする遊びだ」と思ったに違いない。

なんとか川底から脱出できた僕は、いよいよ紀の川でのパックラフトデビュー戦に挑んだのだった。

大河のような雰囲気。紀の川なかなかええ川やん

紀の川に漕ぎ出して最初に思ったのは、「広々して良い川やん」だった。

紀の川の流れ

バックパックやその他道具はまだ買っていなくて、家にあったお古を使い回し。素人感満載のいでたちでのデビュー戦。リュックは20年前に義理のお父さんにいただいたもの。このまま宇宙へ飛んでいきそう。

紀の川カヤック

川幅が広く、周りに高い山もないので、空が広い!

川幅が広く、流れも穏やかで、素人がのんびり下るには良い川かも。カヤックやる人はみんなナラヨシへ行くので、紀の川は注目されてない分、人もいないし快適。

漕ぐ!漕ぐ!漕ぐ!でも逆走してしまう

水質はというと、「う〜ん、どうでしょう」と長嶋茂雄ばりに唸らざるを得ない。

紀の川の水質

汚いって訳でもないんだろうけど、決して「清流」とは言えない。

最初から清流目当てで紀の川に来た訳じゃないので、まあそこは目をつぶるとして・・・
清流行きたけりゃ赤木川大塔川があるしね。

それでも、流域にこれだけの街があることを考えると、そんなに悪い状態じゃないと思う。

なにげに一番キツかったのは、風だった。

紀の川は東西へほぼ真横に流れている。そこへ西からのきつめの風。
でもって、流れがほとんどないために、川面は完全に西から東へ逆走。

かぶっていた帽子が飛ばされそうになるくらい風に煽られて、漕いでも漕いでも進まない!

パドルを休めたら、たちまち逆走していくという事態に。
パックラフトは軽くて風の影響をまともに受けるので、こんな時は不利だ。

初めてのパックラフトでの川下りがこんなに辛いとは。
まさに合宿に来たような状態に、悲鳴を上げる50歳の肩と腕。そして腰。

一体僕はなんの特訓を受けてるのか?
ひたすら漕いで漕いで漕ぎまくるという状態。
長渕の名曲、Captain of the Shipの「生きて生きて生きまくれー!」を叫びながらの根性パドリング!

もうね、パックラフトデビュー戦で早くも心が折れかけましたよ。

逆流と戦い、「だって僕は僕を失うために生きてきたんじゃない♪」と長渕の『逆流』を口ずさみながら必死に戦っている姿を捉えた一枚が、これだ↓

紀の川でパックラフト

橋の上から友人が捉えた1枚。なにげに旅感が演出されていて、お気に入りの1枚だ。

広い川に、パックラフトが一艘。
まるでユーコン川のような1枚(行ったことないし、見たこともないし、もっともっと大きい川だろうけど)。

パックラフトのデビュー戦を紀の川で飾るという噂を聞きつけた友人が冷やかしにやってきて、橋の上から激写した1枚なのだ。

一見優雅に漕いでいるように見えるが、その実態は強烈な向かい風に負けじと、必死に漕ぎまくってる50歳の悲しい戦いの構図なのだ。

この後、友人が橋から落としてくれた兵糧(ジュースやお菓子)をありがたく拾い、再び逆流との戦いに向かっていったのだった。

河原も広いし、のんびりツーリング

気に入った河原でお昼休憩。
紀の川は橋本市から和歌山市まで、和歌山のメイン街道に沿って流れる川なので、流域には民家がたくさんある。

でもそんな合間に、こんな素敵な河原も出現するのだ。↓

紀の川の河原

紀の川 川下りの休憩

初めてのパックラフトでテンションマックス。ビールも美味い!

紀の川の河原でお昼寝

のんびりお昼寝。いつも見ている紀の川だが、全く別の風景に見えた。

最初は、「紀の川か〜」と若干テンションが上がらなかったんだけど、普段見ている紀の川と、川に浮かんで見る紀の川は全く違う表情を見せてくれた。
こんな良い川が身近にあるのは、幸せなことかも。清流ではないけど・・・

まあ、清流行きたけりゃ赤木川大塔川があるしね。(本日2回目)

同じようなアングルだけど、紀の川の雰囲気が伝われば。

名勝・船岡山を超えてゴール

万葉集にも歌われた名勝「船岡山」。地元の人は「ヘビ島」と呼んでいるんだが、なかなかの風景だ。

船岡山

パックラフトの奥に見える丘のようなのが「船岡山(ふなおかやま)」。
川の中にできた小島で、万葉の昔から愛でられてきた名所だ。

紀州徳川家お抱えの鮎師、「茜屋新兵衛」の秘技・『小鷹網』という漁法がある。
江戸時代から代々、一子相伝で受け継がれてきたという、ケンシロウもラオウもケンオウも真っ青な漁法があるのだが、その修行の場となったのが、この船岡山なのだ。

その厳しい修行は、かの有名な三平三平(みひらさんぺい)も体験したほど。
詳しくは『釣りキチ三平』を見ていただくと良い。

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今は北側の水量は少なく、南側の流れを行くのが正解。
南側は、島自体が護岸工事されていて、かなり残念な風景になっている。

僕は小さい頃から、この船岡山を見て育ってきた。思い入れの強い場所なのだ。
子供の頃はこの川で泳いだり、ジャコ(ハヤ)釣りばかりをしていた。
そのころは、今よりも綺麗な川だったと思う。

親戚のおじさんに連れられ、腰にビクをつけて、毛針でジャコを釣る。竿はおじいちゃん手作りの竹竿だ。

僕にとって紀の川の匂いとは、ジャコや鮎の匂いだった。

でも本当に、本当に残念なことに、船岡山近辺を漕いでいると、ツンと鼻を突くような臭いが。
綺麗な川では決して嗅ぐことがない、ツンとした臭い。
そしてこの辺りから、水も濁ってきたような感じ。

大好きだった場所だけに、心の底から残念に、寂しく思った。

なんとかこの川を、もっと綺麗にする方法はないんだろうか?と珍しく真剣に思った50歳の春なのであった。

そんな寂しい思いを胸に抱きながら、麻生津橋を超えたあたりでゴール。
朝10時前から午後3時ごろまでのリバーツーリングだった。

まとめ

ゴール近くになって、臭いのせいでテンションが下がったけど、全体的に見ると川幅が広くて、風景も開放感があり、流れは穏やかで良い川だった。

僕が行った時は逆風がすごかったけど 笑。

流域に街があり、人がたくさん住んでいるわりには、綺麗な川だったと思う。
でも清流とは呼べないかな。悲しいことに。

初めてのパックラフトでの川下りは、本当に楽しかった。ちょっぴり悲しい思いも含みながらも、川を下ることの嬉しさ、楽しさ、ワクワク感を実感した、そんな初パックラフトの川下りだった。

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