自粛解除!古座川の支流、小川に行ってきた!

川下り体験記

今シーズンは、川下り自粛ね!
と偉そうに言ってたその舌の根も乾かないうちに、古座川の支流・小川に行ってきた。
面の皮が厚いのは、僕のアイデンティティの一つなのだ(笑)。

時は2020年5月23日。
5月14日に緊急事態宣言が解除されたと同時に、「川へ行きたい病」に罹患してしまった僕。

まだ

県をまたいだ移動は、ダメよダメよダメなのよ!

と、止められている時期(島田一の介さんは関係ない 汗)だったんだけど、幸いにして僕は和歌山県人。

そして幸いなことに和歌山には、全国に誇れる清流がたくさんある!
県をまたぐ必要は一切なく、和歌山県内だけで思う存分川下りができるのだ。
ということで、古座川の支流である、小川(こがわ)に行ってきた。

今回のダウンリバーで己に課したミッションは、「誰にも会わないこと!」
緊急事態宣言が解除されたとはいえ、コロナウイルスが無くなったわけじゃない。
だから、極力リスクを避けるために、1日中、誰にも会わずに川下りを完遂することを、己に課したというわけだ。

小川は「柿太郎の廻り」という完全な無人区間もあるので、ボッチの川下りにはうってつけのステージだ。

ということで、2020年初めての川下りの模様をお届けしよう!

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悪天候男、串本に降臨!

朝6時に家を出て、一路古座川に向かった僕。
天気予報は「曇り」で降水確率20%だったので、なんとか行けるだろう!と思いつつ車を走らせること約2時間。久しぶりに串本町に到着した。

と同時に、「ポツッ、ポツッ」と雨が降ってきたじゃないか!
そうだ思い出した。
僕は自分でもびっくりするくらいの雨男だったんだ。

PTA会長を仰せつかった時なんかは、運動会の途中で激烈な雷雨に襲われて途中で中止になったり、山登りイベントの時はタイムリーに台風がやってきたり、地元のボランティア活動で八朔の収穫をした時も猛烈な雪が降ってきたり・・・・

僕が関わるイベントは、ほとんど悪天候や思いがけないトラブルに襲われるのだ。
今年は盆踊り大会の会長になっているせいで、全世界にコロナウイルスを拡散させてしまった・・・
盆踊り大会も中止になるしね。

今までの川下りで、雨が降らなかったことが奇跡だったのだ。
というわけで今シーズン初めての川下りは、悪天候のもとに決行されたのだ。
正直「もう帰ろうかな」と悩んだけど(笑)、「川を下りたい!」思いが勝ってしまったために、「滝の拝」まで来てしまった。

水量はいつもよりちょっと多め。

滝の拝に着いた時には、幸運なことに雨が止んでドン曇りの状態になっていた。
よし!これなら下れるぞ!
と、大急ぎで準備して、いつもの場所からスタート!

このスタート地点から眺める景色は、他の川にはないものがる。
ちょっと奥まったところにあって川全体を見渡せないので、この先に何があるかドキドキしながらスタートする感覚なのだ。遊園地のアトラクションのようなワクワク感がある。

漕ぎ始めは、いつもの通り滝の方へ。
今日はいつもより水量が多く、滝もゴウゴウと迫力ある音で迫ってくる。

曇天と清流。厳かな雰囲気の中、小川ダウンリバー

ドン曇りの中、清流・小川のダウンリバーを開始した。
曇っているとはいえ、そこは天下の清流・小川だ。相変わらずのスケスケっぷりに、ニタニタが止まらない。

で、当然ながら「三密」とは無縁の世界。
というか、ここまでマジで誰一人にも会っていないのだ。

そういえば去年の秋、古座川で会った名古屋の刺客たちと「5月に小川で会おう!」と約束してたっけ。

小川での再会を楽しみにしてたんだけど、名古屋から和歌山へはコロナのせいで来れないし、仕方がない。

小川は他府県の人たちにも人気の清流なんだが、今回は和歌山県人が独り占めということで(笑)。
ということで、小川を下っているのは僕1人だけという、正真正銘のボッチ川下りとなったわけだ。

小川はいつ来ても、厳かでシンと静まり返った雰囲気を楽しめる川だが、今回ほど静けさを感じたことはなかった。
曇天のせいもあるんだろうか。心の奥底までシンと静まり返るような感じで、一人黙々と川を下っていったのだ。

聞こえるのは川のせせらぎと、鳥の鳴き声だけ。人の気配を感じることがない。

小川は上流にダムがないので、超絶清流が保たれているんだが、いつも水量が少なめ。
日によっては、半分近くをライニングダウン(パックラフトを引き連れて、川の中をお散歩)する時もあるんだけど、今回は雨のおかげか水量があったので、トータルでライニングダウンは2回だけという下りやすさだった。

いつもはパックラフトの底が着いて下れなかった小さな瀬も、通ることができた。
でもめちゃくちゃ水量があるわけじゃないので、適度な落ち込みがあったりテクニカルな瀬が多くなっていて、ちょっとしたスリルも楽しめた。
(素人パックラフターのくせに、偉そう 笑)

浅いところはご覧の通り。川底までクッキリと見える。

時には幻想的な色彩で、僕の心を鷲掴みにしてくる憎い奴。

霧雨の柿太郎

さて、いよいよ「柿太郎の廻り」だ。
この区間は川の近くに道路も人家もなく、完全に一人っきりになれる区間だ。

この区間を漕ぎたくて、小川に来ているっていうのもある。

空を見ると、今にも降ってきそうなドン曇り。そうした雰囲気も手伝ってか、いつもよりシンとした風情を楽しめた。

川をよく見ると、大きな鯉が5匹くらい泳いでいた。

パックラフトで鯉の上を静かに漕いでも、鯉は逃げることなく悠然と泳いでいる。
静かにパドルを入れるだけだと、魚は平然としているのを改めて認識。
しばし、鯉たちと戯れて遊んでいた。

 

ああ、静かで豊かな時間。

 

世のコロナ騒ぎから完全に切り離された、なんと豊かで平和な世界なんだろう。
正直、ステイホームにうんざりして、ストレスが溜まりまくっていたので、来てよかった。
快晴ならウキウキともっと明るい開放感を感じただろうけど、ドン曇りのボッチ川下りもなかなか良いぞ。

心が静まっていく感覚というのかな。うん、曇天最高!
やっぱ、川下りはドン曇りの時に限るね!!
雨男で良かったよ、ほんと。
快晴で川面がキラキラ輝く清流なんて眩しいだけだし、全然羨ましくないもんね・・・

と無理やり思っていたら来たよ、雨が・・・

霧雨が降ってるのが分かるかな?
まあね、いくつも瀬をくぐり抜けて濡れているし、今さら雨で濡れることくらいなんともないんだけど。

まだ昼メシ食べてないっちゅーねん!
河原でゆっくり昼寝できへんやないかいっ!

ということで、「今回は昼メシ抜きで、ゴールまで漕ぎ切ろう」と諦めつつのダウンリバーとなってしまった。

雨に打たれながらのボッチ川下りって、マジで寂しいぞ。
世界から一人だけ取り残された感じ。ましてここは柿太郎の廻りなので、人の気配がまったく無いのだ。

寂しさのあまり、雨に似合う歌を歌ってみることにした。

『♪飲ませて〜ください、もう少し〜。今夜は帰らな〜い帰りたくない♪』

と霧雨の中でしみじみと歌いながら川を下る52歳のジジイ。

いや、それ霧雨じゃなくて「氷雨」やん(笑)

と、一人でツッコミつつ蕭然とした気分でのダウンリバー。

清流・小川を味わい尽くす

僕の切ない歌声が天に届き、「このままだと永遠に下手くそな歌を聞かされる」と神様が思ったのかどうか、雨が止んだではないか!

相変わらずのドン曇りだが、これで河原に上陸して昼飯が食える。
ということで、適当な河原を見つけてお昼休憩だ。

いつまた雨が降ってくるかもわからないので、ささっと済ませることにする。
焚き火は無しで、バーナーでお湯を沸かし、ラーメンをささっと食べて撤収することにした。

これが、お昼休憩の河原から撮った小川だ↓

さすが「小川を下らずして、古座川を語るなかれ」と言われている清流だ。
今回はこの景色を完全に独り占め!

ということで、柿太郎の廻りを抜けてしばらくして、自転車をデポしてた河原に到着。
お昼寝なしの、結構慌ただしいダウンリバーになったけど、充実したボッチ川下りだった。

帰りはいつもの通り、ゼエゼエ吐きそうになりながらの自転車苦行。

改めて思ったけど、ソロツーリングするには、パックラフトって最適だ。
3kg以下の軽さ、クルクルと畳むとバックパックに入るほど小さくなるので、ゴール地点に自転車をデポして、スタート地点に帰ることが出来る。
パックラフトはやはり川旅にはもってこいの道具だ。

最後に

というわけで、緊急事態宣言が解除されてやっと、ダウンリバーができたお話でした。
で、最初に掲げたミッション「誰にも会わないこと!」は達成できたかって?

はい〜!見事に誰にも会わなかったっすよ!

1日中、正真正銘のひとりぼっち(笑)。
なので、コロナ禍とは無縁の時間を過ごせたのだ。
誰にも迷惑かけないし、感染リスクもなし。
行きも帰りも車だし、休憩なしで走ったので、ほんとに誰にも会わなかった。

柿太郎の廻りを下っている時は、完全に世界から取り残されたような気になって、ちょっと寂しかったくらい。

やっぱ、川下りはいいわ〜。やっぱ、パックラフトはいいわ〜。

というのを再認識できた、今回の川下りだった。

あ、ちなみにこの記事で、「子供たちがステイホームで我慢してるのに、大人が遊び歩くとはなんたることか!」と書いてたんだけど、6月から学校再開も決まったし、子供たちに了解を得た上での川下りだった。

子供たちに「今度の週末、川に行ってくるけど・・・」とおずおずと言ったところ、ダチョウ倶楽部ばりの勢いで「どうぞどうぞ!」と言われ、「お父ちゃんは必要ないのね(泣)」と、ちょっと寂しい気持ちのままのドン曇りダウンリバーだったのだ。

それからちなみに、今回はボッチ川下りだったんだけど、本来はムハンマドOと一緒に和田川・赤木川を下るはずだった。
でも奴は豪農なので、この時期はめちゃくちゃ忙しいらしく、時間が取れずに断念した。

次こそは、

おい!今度の週末に川へ出撃するぞ!

と誘ったら、間髪入れずに

へい、兄貴!

と言ってもらいたいものだ。

ということで、関西圏の人しか知らないネタを織り交ぜつつ、小川ダウンリバー2020の模様をお届けしました!

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