大塔川をパックラフトで川下り。激流の果てに見たものは?

川下り体験記

2019年5月25日に、和歌山県本宮町の大塔川を川下りしてきた。ソロツーリング(ボッチで寂しく川下り)だ。
実は大塔川は初めての川!

5月初旬に和田川・赤木川を川下りして、超絶すぎる清流に感動したばっかりだったんだけど、もう一つの清流「大塔川」に行くのが夢でもあった。

今回、その夢の大塔川に初チャレンジしてきた。

大塔川は川湯温泉につながっている、熊野川の支流だ。
たくさんのブログでも紹介されているが、もしかして和歌山ナンバーワン?と噂されるほどの超絶清流。

今年はどの川も水位が低く、パックラフトの底をついてライニングダウンを余儀なくされることが多かったのだが、前日の水位では川湯で0.11m。ちょっと低いような気もしたけど、とにかく行ってきたので、その模様をお届けしよう。

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まじでここを下るの?初めての瀬にビビりまくりの51歳

いろんなブログを見て、コースは漁業監視所のところからエントリーして、老人ホームのあたりでゴールということに決めた。

当日、老人ホームまで車で行って、河原近くのあたりに折り畳み自転車をデポ。
そこから車で漁業監視所のところまで。

で、途中の道の上からはこんな風景がっ↓

初心者をあざ笑うかのような迫力の瀬音。
写真じゃあ伝わりきらないと思うけど、ゴウゴウと、素人の心を折りにくる習志野高校ばりの美爆音に、

「まじでここを下るのか?たった一人で??」
「やっぱ、やめようかな」
「もうちょっと下流から攻めようかな」

とビビりまくりの51歳(笑)

そんな気持ちを奮い立たせて、なんとか漁業監視所のところへ。
ここは車数台を停めるスペースがあるのだ。
去年の台風の影響で、川へ降りる道が崩れているって情報もあったんだが、僕が行った時は工事中のような雰囲気で、道も整備されていた。

さすが和歌山が誇る名川。超絶清流!

さて、ドキドキ・ビビりながら大塔川の河原に降り立った僕。
そこには「さすが和歌山で1・2を争う清流度」といった、大塔川の素敵な風景が!

天気も良かったし最高。透明度抜群の素晴らしい水質。

すっかり気を良くした僕は、意気揚々とパックラフトに乗り込み、朝9時ごろにダウンリバーを開始したのだった。

まじか!スカウティングもせず、瀬に突入!

スタート直後から素人にはなかなか緊張感を強いる瀬が2〜3箇所出てきて、必死でパドルを動かし、なんとかクリア。

でもこの先には例のラスボスが待ち構えている。
大塔川のラスボスは、ゲーム終盤じゃなくて、序盤に出現するという意地悪さ。

いつでもかかってこいや!と挑発してくる大塔川の瀬。名前あるのかな?

ここをクリアしなければ・・・というプレッシャーで押しつぶされそうだった。
もちろん、沈(転覆することね)を前提に荷物はしっかりくくりつけ、ヘルメットもバッチリかぶって緊張のパドリング。

瀬の手前にきたら、河原に上がってスカウティング(瀬の偵察。どのルートを通ればいいかの調査をすること)しようと決めていた。

 

でも、でも〜。

 

素人パックラフターの悲しいところ。
必死に漕いでいるうちに、ラスボスの迫力満点の瀬音が「ゴゴーーーッ!!」と聞こえてくるではありませんか!

そうだ!スカウティングだ!と思う暇もなく、その瀬に吸い込まれていく自分がいるじゃないですか!

でもって、半泣きの状態でゴウゴウという瀬に突入していく素人パックラフターの僕がいるじゃないですか!

・・・ということで、スカウティングする暇もなく、ラスボスの懐に突撃してゆく新入りの歩兵。
もう必死の形相でパドルを持つ手をフル回転。

頭の中は「ここは左だ」「次は右だ」「うわ、落ち込んだ!」「怖」「マジか」「やめてー」という断末魔の叫びが。

51歳で天国への距離が近くなったとはいえ、まだこんなところで昇天してたまるか!という必死の思いが通じたのか、水しぶきでぐしゃぐしゃになりながらも、沈せずにこぎ抜けることに成功!

瀬をクリアした後は、「ゼーゼーゼーゼー。怖かった〜。マジかよ」と一人で半泣きで叫ぶ51歳のジジイがいた。

写真?動画?

いや、素人パックラフターはそんな余裕もなかったっす。
僕は今、iPhoneを防水ケースに入れて撮影しているだけなので、自分が漕いでいるところを動画に撮れないのだ。

まあ、そのうちGoProを買ってやろうと目論んでいる。いや、お金がないのでGoProもどきの中華製かな。

ということで、大塔川のラスボスを見事撃破!
素人ながら、ちょっと自信になったのは収穫だった。

この瀬は、素人の僕だから大げさにビビりまくってたのであって、経験豊富なパドラーにとっては、ちょっとスリルを感じられる楽しい瀬でしかないと思います。

ちなみに、こんな瀬もあったけど、ラスボスを撃破した僕にとってはすでに雑魚(笑) 苦もなく漕ぎ抜けましたよ。

この世の楽園?大塔川は清流天国だった

大塔川のラスボスを撃破してステージクリアした僕は、ボーナスステージに進むことになった。
そのボーナスステージでは「厳しい瀬を頑張って乗り越えたね。だからご褒美よ(ハート)」と大塔川に優しく声をかけてもらったのだった。

そしてそこには超絶清流と、野趣あふれる渓谷美が。

絵に描いたような渓谷美

水がないかのような透明感。もううっとり。

もうとにかく「天国っていうのはこんなところなのかも?」と思ってしまうほどの渓谷美と、透明な水。マジで和歌山ナンバーワンの清流か。いや、全国的にもトップクラスの清流だ!
(全国の川は行ってないけど 笑)

ほんまマジで行ってごらん!日頃の悩みなんか吹き飛ぶから。
(ラスボスを撃破したことで、急に上から目線)

気に入った河原を見つけ上陸。昼飯はいつものごとく超手抜きのカップラーメン。
古座川を下った時はバーナーやライターを忘れてきて、水のまま、ちょっとふやけて全然美味しくないラーメン食べたな〜(遠い目)

こんなに大きな写真にする必要のない、誰得な手抜き昼飯。インスタ映え?なにそれ?

のんびりゆらゆら。大塔川も最高の癒しの川だった

天気も良かったし、後はのんびりゆらゆら。時たま瀬が出現するけど、大したことない瀬だったので、序盤のラスボスを倒せば、後はのんびり清流を楽しめる。

防水ケースが水気で曇って、ちょっと斜がかかった写真になっているが、ギャラリーをご覧ください。
クリック(タップ)したら大きい画像になります。

さて、のんびり下ってきたが、午後2時ごろゴールの老人ホームに到着。
行程自体は、そんなに長い距離には感じなかった。お昼にたっぷり昼寝もしながら、気に入った河原や淵を見つけると、そこでボーッとしながらの、のんびり川下りだった。

もうちょっと頑張れば、川湯温泉まで漕いで、最後に温泉に浸かるってのも、アリかな。

さて、老人ホーム付近の河原に上陸し、「俺も後少しで、こんな施設に入るんだな〜」っと考えながらデポしていた折り畳み自転車でスタート地点まで約30分かけて戻った。

ソロの時はパックラフトってやっぱり良いなー。
クルクルと畳んで、バックパックにくくりつけて自転車でスタート地点まで戻れるので。

上り坂が多く、なにげにこの自転車が一番きつかったりしたが、下ってきた大塔川の姿を見ながらのんびりと。

うーん、やっぱり超絶清流だ。

まとめ

今回は朝9時から午後2時までの、のんびり川下りだった。
和田川・赤木川も最高の清流だったけど、大塔川も負けず劣らずな超絶な清流だった。もしかして赤木川よりも上かな。
ということは、和歌山ナンバーワン清流は大塔川ということで、異論がないかも。

序盤の瀬は、僕のような素人には怖かったけど、今から思い返せばスリルあり、渓谷美あり、素敵な清流ありの、素晴らしい川だった。

また行きたいな〜。

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