梅雨の合間の古座川ダウンリバー 〜52歳、ひと夏の経験〜

川下り体験記

パックラフトを始めて3年目の夏がやってきた!
といっても、実は僕は夏に川下りをしたのは数年前に家族でレンタルカヌーをして以来。

パックラフトでは、夏未経験というウブな男だったのだ。
毎年この時期は盆踊りの準備や林間学校なんかで色々と忙しく、夏に川を下る余裕がなかったんだよね。

鮎釣りのシーズンということもあって、敬遠してたってのもある。

だけど、男52歳。このまま夏の川を未経験のまま朽ち果ててもいいんだろうか?
夏の経験は、春や秋よりももっと、キモチイイに違いない!
今こそ、「パックラフト夏童貞」を捨てる時がやってきたのだ!!

ということで、ひと夏の経験のステージに選んだのは、毎度おなじみの古座川。
古座川は鮎釣りとカヌーの棲み分けができていて、夏は明神橋から下流はカヌー専用区間となる。
鮎釣り師に気を使うことなく、思う存分ひと夏の経験ができるというわけだ。

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梅雨の合間に古座川へ。ケンケン鰹もアゲアゲだ!

まだ梅雨が開けておらず、隙間を狙うように曇りの日をかろうじて選んだのが、2020年7月23日。
名うての「雨男」として友人たちに嫌がられている僕のことだ。きっとドン曇りか、雨が降るに違いない!と思っていたんだが、この日は奇跡的に晴れてくれたのだ。

高速を走って、すさみ町の道の駅についた時には、ご覧のような青空。

すさみ町特産の「ケンケン鰹」。僕のひと夏の経験を応援してくれるかのように、元気に反り返っている。

すっかり気分がアゲアゲになった僕。「ケンケン鰹」の反り返り具合に負けないくらいに反り返りつつ、一路串本をめざしたのだ。男52歳、3人の子持ち、まだまだ元気なのである!

今回は折り畳み自転車の苦行はやめて、タクシーで出発地点に行くことにした。
ということで、「古座駅」に到着。
ここは駅舎内に観光協会があり、駅構内にレンタルカヌーの倉庫があるという、まさに「カヌーのまち」の理想を実現しているような、素晴らしいところなのだ。

駅の中にはキレイな脱衣所まである。
ここでひと夏の経験のために一張羅(カヌーの服装)に着替えて外に出ると、カヌータクシーが「いらっしゃ〜い」と待ち構えていた。

レンタルカヌーの場合は、タクシーの屋根にカヌーを乗っけてくれて出発地点まで送ってくれるという寸法だ。
何度もいうが、この町は本当にカヌーする人にとって、天国のような町なのだ。

6月からは、古座川は明神橋がスタート地点になる。
支流の小川(こがわ)が合流する地点で、小川の超絶キレイな清流が本流に流れ込んでくる場所だ。

小川をちょこっと漕いで本流に合流することにした。

ちなみにこの明神橋の河原は、公衆トイレがあるのでキャンプOKの場所だ。
(古座川は、公衆トイレのある場所の河原はキャンプOK。それ以外はNG。ルールは守ろうね。)

いざ、古座川へ!

この日は梅雨の合間の晴れということもあって、そこそこレンタルカヌーが多め。
小川をちょこっと漕いで本流に合流した地点で、レンタルカヌーの人たちに遭遇。

こんな時って、「あ、あの人、自分のカヌー持ってるんだ」と、好奇心一杯の目を向けられるんだけど、ちょっと恥ずかしいよね。
「俺、自分のカヌー(パックラフト)持ってますんで」と颯爽と漕いでもいいんだけど、俺、「パックラフト夏童貞」なんで。

雨の影響で、ちょっと笹濁りな古座川本流。

雨続きだったので、少し「笹濁りしてるかな〜」て感じ。
それでも5月以来のダウンリバーなので、気分はアゲアゲだ。
なんといっても、パックラフトに乗り込んだときの、フワッとした浮遊感が最高だ。

古座川は何回も下ってるけど、やっぱり良い川だ。
和田川や小川のような渓谷の川では味わえない、広々とした風景が、ゆったりとした気分にさせてくれる。

和田川や小川に比べると清流度は劣るけど、川幅が広いし、景色も最高!
いつものように、流れのない場所ではパックラフトの上に昼間からゴロゴロ〜、ゴロゴロ。
「あ〜あ、毎日が日曜日だったらなぁ〜」と言いながら、川の流れに身を任せて下っていった。

支流の小川より清流度は劣ると言っても、やっぱり清流・古座川だ。

飛び込め!中学生!!

明神橋からゴールまでは短いので、ゆっくり川下りを楽しんでいたのだが、早くも「少女峰」が近くなってきたので、広めで木陰がある河原を選んで上陸。

いつものように、手抜き昼飯タイムだ。
最近の僕は、何をカッコつけているのかライターは使わずに、ファイヤースターターでの火起こしばっかりだ。
麻紐をほぐして火口にすると、火がつきやすい。

そして出来上がったのは、いつものチキンラーメン(笑)。これしか能がないのか?

この後はいつものルーチンワークで、お昼寝タイムだ。
ごろっと横になっている間も、レンタルカヌーの家族連れが、変な生き物に遭遇したような顔でチラチラこちらを見ながら下っていくが、気にしない気にしない。

目覚めると、地元の中学生たちが飛び込み岩から飛び込んで遊んでいた。

みんな自転車でやってきて、慣れた感じで飛び込んでる。
こんないい川が近くにある子供は、ほんとに幸せものだと思う。
僕も中学生にまじって一緒に飛び込みたかったけど、そこは大人の理性でぐっと堪えた。

この飛び込み岩のところは流れのないトロ場になっていて、危険性は少ないと思う。
小さい頃から、川で遊んでいると知らず知らずのうちに、川の楽しさや怖さを学んでたくましく育つんだろうなぁ。

潜れ!52歳!!

さて、そんな風景を指を加えて眺めている場合じゃない!
僕には「ひと夏の経験」が待っているのだ!!

ということで、おもむろに水中メガネを取り出し、

『♪誰でも一度だけ 経験するのよ♫』

と口ずさみながら、ザブンと古座川の清流に潜ったのだ!

うん、梅雨の長雨のせいで完全に笹濁りだね。
本当はもっとキレイなんだけどね。まあ仕方がない。

なにより、ザブザブと川に入っていく52歳のジジイは、地元の中学生やレンタルカヌーのファミリーには衝撃だったのか、

「え、おじいちゃん大丈夫?」とか、
「もしかして、入水○○?」とか、
「きゅ、救助しなくて大丈夫?」とか、

様々なギャラリーの刺すような視線に耐えながらの潜水だったのだ。

ああ、人のいない川で遊びたい・・・

と心底思った瞬間だった(笑)

そんなことを思いながらも、ゆらゆらと川面に漂う52歳のオヤジ。

ライフジャケットを着ているので、プカプカ浮かんで楽しいのだ。

 

こうして僕の「夏のパックラフト初体験」が終わった。

古座川の誘惑の甘い罠にかかり、ひと夏の経験を済ませた52歳のジジイ。
夏のパックラフト初体験は、こうして幕を閉じたのだ。

最後にダイジェスト的に動画にまとめたので、1分7秒だけ我慢して見てほしい。(BGM注意)

最後に

今回の古座川ダウンリバーは、レンタルカヌーの人たちや地元の中学生、川エビを獲っている?じいさんたちと、人気(ひとけ)に溢れていた。

流域には人々の暮らしがあるので、人の気配を感じるのは当たり前なんだけど、子供も大人も、みんな古座川を向いて生活してるんだな〜、ということをしみじみと感じた。

最近は、川の近くに住んでいても、川に背を向けて生活している人たちのほうが多いように感じる。
でも、良い川の近くに住んでいると、みんな川を向いて生きてるんだな、と思ったのだ。

暮らしの中に、当たり前に「川」がある。
昔はそれが当たり前だったんだけど、いつしか川に背を向けて暮らし始め、なにか大切なものを置き忘れてるんじゃないかな。

と、ちょびっと感傷的になりながらも、「52歳、ひと夏の経験」を済ませ、スッキリして帰路に付いたのだ。

今回は梅雨の合間ということで、少々濁った古座川だったけど、何回来ても色んな表情を見せてくれる。

やっぱ、いい川だ。

 

最後に百恵ちゃん。
あなたの大切な歌を、こんなゲスいブログに使ってしまって、スミマセンでした m(_ _)m

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